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シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定
一般診療所が担う在宅医療の評価のあり方を議論
診療所と病院の連携による24時間対応への評価を要望する声も

 中央社会保険医療協議会中医協)は4月12日の総会で、2018年度診療報酬改定に向けて在宅医療をテーマに議論した。在宅医療のニーズの増加や課題の多様化を踏まえ、在宅医療の担い手を増やすため、在宅療養支援診療所在支診)以外の一般診療所による在宅医療の提供を評価することなどを検討した。

 厚生労働省は、次期改定に向けた在宅医療(訪問診療)の検討内容として、(1)在宅医療の提供体制の確保、(2)看取りを含めた在宅医療の充実――の2点を挙げた。同日の総会では、(1)では「地域の実情を踏まえた在宅医療の提供体制の確保」と「救急応需体制の確保」、(2)では「患者の状態・特性に応じた在宅医療の推進」と「多様な住まい方に応じた在宅医療の推進」をテーマに議論を進めた。

 在宅医療の提供体制や救急応需体制を確保する観点からは、在支診以外の診療所による在宅医療の提供を評価したり、医療機関の連携により時間外・夜間の負担軽減を図ることなどが検討された。

 厚労省が示した資料によると、訪問診療を提供している医療機関は全国に2万597施設あり、このうち在支診以外の診療所が9895施設(48.0%)を占めた。往診については、全国2万3358施設のうち1万4069施設(60.2%)が、在宅看取りでは全国4312施設のうち1270施設(29.5%)が在支診以外の診療所だった。このように、在支診を届け出ていなくても、在宅医療サービスを提供する医療機関が相当数あることが示された。

 サービスの提供量を見ると、訪問診療については提供回数の84.6%を在支診が占めた。一方、往診については39.6%、在宅看取りでは21.5%を在支診以外の診療所が提供していた。

 こうした診療所が在支診の届け出をしない理由としては、「24時間往診体制が困難」が39.9%と最も多かった。在支診の届け出の意向については、83.4%が「届け出の予定はない」と回答。日本医師会が2月に公表した「かかりつけ医機能と在宅医療についての診療所調査」でも、地域包括診療料・加算で求められる要件のうち、「在宅患者に対する24時間対応」が負担と答えた医師が49.8%に上り、最も割合が高かった。

 さらに、診療所で勤務する医師の年齢構成の経年的変化を見ると、50歳代、60歳代の医師の割合が増加傾向にあることも示された。

 これらのデータを踏まえ、厚労省は「在支診以外を含めたかかりつけ医による在宅医療提供体制」「かかりつけ医の夜間・時間外の負担軽減に資する地域の医療機関の連携による救急応需体制」の評価のあり方を論点として示した。

 これに対し、診療側委員の中川俊男氏(日本医師会副会長)は、「在支診以外の診療所の評価について、ぜひ前向きな方向性で考えてほしい」との見解を示した。

 病院団体を代表する委員からは、連携に対する評価を求める意見が出た。万代恭嗣氏(日本病院会常任理事)は、「在宅医療にはチームで対応することが重要だ。在支診・在支病以外の医療機関の連携、特に病院と連携していることを評価する姿勢があってもいいのではないか」と話した。

 猪口雄二氏(全日本病院協会副会長)は、「機能強化型在支診・在支病と連携すれば複数医師による対応もしやすくなるが、看取りの要件がネックとなっている」と指摘。連携型の機能強化型在支診の要件に配慮を求めた。現在は複数の医療機関が連携し、「機能強化型」を届け出ることによってより高い報酬を算定できる。だが、2014年度改定で各医療機関にそれぞれ「緊急往診4件以上/年」「看取り2件以上/年」の要件が課され、これらの要件を満たせない医療機関が出たため、連携型の機能強化型在支診の届け出は2015年度に減少に転じた。

 在支診・在支病以外の診療所が手がける在宅医療については、評価が引き上げられたり、24時間対応をカバーするため、連携を促すよう要件が見直される可能性がありそうだ。

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