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特集◎薬剤耐性クライシス《3》
耐性淋菌◆「最も脅威である細菌」拡散前夜

 薬剤耐性は、性感染症の原因菌でも問題となっている。その筆頭が淋菌だ。淋菌といえば「薬が良く効く菌」とのイメージが強い。だが、薬剤耐性の淋菌が日本で静かに広がっていることは、あまり知られていない。特に、第一選択薬である抗菌薬に耐性を示す淋菌が相次いで発見された日本は、「淋菌耐性化の先進国」と揶揄される現状にある。

 淋菌は、性感染症の1つである淋菌症の原因菌だ。尿道や子宮頸部、直腸や咽頭などの内膜をはじめ、眼の前部を覆う膜(結膜と角膜)を侵す。主な症状は男性が尿道炎、女性が子宮頸管炎。尿道炎では排尿時の痛みが特徴的だが総じて症状は軽い。だが、自らの手指を介して菌が目に侵入し淋菌性結膜炎(膿漏眼)を引き起こすこともあり、重症化すると失明に至る危険な病気だ。定点報告から推定される新規患者数は、年間5万~8万人に上る。

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