原因不明失神の診断率向上に貢献
欧米では一過性意識消失や失神を生じた患者の診療は、失神を専門とする医師が在籍する「失神専門診療ユニット(syncope unit:SU)」が存在している。これは、2009年に改訂された欧州心臓病学会(ESC)の診療ガイドラインで初めて推奨されたもの。2015年には、米国不整脈学会(HRS)と欧州不整脈学会(EHRA)が合同で、「SUの設置の理論的根拠と要件」という合同ステートメントを発表し、設置を推奨している。加えて同ステートメントは、SUの設置方法や設置条件などを詳説する。
欧米でSUの設置が推奨されている背景には、失神の誤診率が高く、不要な入院や過剰検査による医療費高騰が問題視されていることがある。失神に詳しい医師が診察に当たることで、不要な検査が減り、診断率が高まるというエビデンスがある。SUの設置が特に進んでいるイタリアでは、2015年時点で71のSUが設けられ、失神診療の標準化が進んでいる。
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