日経メディカルのロゴ画像

特集◎リハビリが変わる、医療が変わる《3》
腎臓リハ◆腎臓病も運動で透析遅らせ予後改善

腎臓リハビリテーション学会を立ち上げ、腎リハの研究、普及に取り組んでいる東北大の上月正博氏。

 「CKDに対する運動の在り方は、コペルニクス的転回点にある」。東北大学内部障害学教授の上月正博氏は、慢性腎臓病(CKD)に対する運動の利点が明らかになり、運動制限から運動推奨に大きく転換しつつある現状をこう表現する。

 CKD患者は運動すると蛋白尿が出やすくなるため、特に進行したCKDでは長らく安静が治療の1つと考えられていた。それが運動で腎機能が改善し得ることが示され、腎臓リハビリテーション腎臓リハ)が普及し始めている。腎臓リハとは、腎疾患患者に対して症状の緩和や生命予後改善のために行われるリハビリで、運動療法に加え栄養療法や精神的ケアなども含めた包括的プログラムを指す。

 これまでの研究で、CKD患者では、運動習慣がない群に比べて運動習慣がある群の全死亡率が有意に低く、かつ血液透析への移行が有意に遅くなることが示されている(図5)。国内でも、運動することでCKDの重症度指標である推算糸球体濾過量(eGFR)が改善することが報告されている。「運動すると蛋白尿は出るが、それは一時的なもの。長期的に見れば心肺機能が高まり、CKD患者の主要な死亡原因となる心血管系イベントの予防につながる」と上月氏。さらに、運動により腎組織の保護が促進されることも動物実験で明らかになっていると説明する。

この記事を読んでいる人におすすめ