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特集◎初心に返れ!心房細動診療《4》
もはや新規ではないNOAC、新名称は?

 ダビガトラン以降に発売された経口抗凝固薬(OAC)は「新規経口抗凝固薬(new/novel oral anticoagulant)」と総称され、NOACという略称が広く使われてきた。だが最近では、既に「新規」の時期は過ぎたとして、同じNOACという略称ながら「非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(non-vitamin K antagonist oral anticoagulant)」が使われることも増えた。また、凝固因子特異的にその活性を直接阻害するという作用機序から、「直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant)」で「DOAC」と呼ばれることもある。

 このような状況に対して国際血栓止血学会(ISTH)は2015年4月、「今後は直接経口抗凝固薬(DOAC)に統一すべき」との勧告を発表した。名称の不統一は医学知識の分断化を招くだけでなく、医療現場においても混乱の原因を作りかねないというのが、その理由だ。普及した「NOAC」がそのまま使える「非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬」なら異論も少なそうだが、カルテなどに「non-vitamin K antagonist OAC」と記載されていた場合、医療スタッフや患者が「抗凝固薬は不要」と誤って解釈してしまう危険性があると、同学会は指摘する。

 ISTHは勧告に先立ち、血栓止血系や循環器系の学術団体を率いるボードメンバー(16団体150人)を対象とした調査を行った。その結果、回答した77人の89.6%が、用語の統一が必要という学会側の提案を支持したという。

 具体的な統一名称として、「直接経口抗凝固薬(DOAC)」「非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)」「新規経口抗凝固薬(NOAC)」「経口直接阻害薬(oral direct inhibitor=ODI)」「特異的経口直接抗凝固薬(specific oral direct anticoagulant=SODA)」「標的特異的経口抗凝固薬(target specific OAC=TSOAC)」などを提示してどれがよいか尋ねたところ、ベスト3は、DOAC(58.4%)、TSOAC(49.4%)、非ビタミンK拮抗OACでNOAC(39.0%)の順だった。

 日本循環器学会は、用語の統一に関してまだ見解を示していない。2016年春の学術集会でも、演者によりNOACとDOACの両方が使われていた。

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