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特集◎ヒヤリとしたあの瞬間《用法・用量ミス》
曖昧な口頭指示で倍量のジアゼパムを筋注
ルールを徹底して緊急時のミスも防止

【事例】
 投与量を指示しなかったため2倍量の抗不安薬が筋注で投与され、患者の呼吸が停止した──。関東地方の病院に勤める内科医のA氏は、以前こんな事故を経験した。A氏は当時、普段勤務する病院とは異なる神経内科専門の病院で夜間当直をしていた。ある日、入院中の50歳代男性が痙攣と高熱を発症。セルシン(一般名ジアゼパム)を5mg筋注しようと考え、看護師に口頭で「セルシン1アンプルお願いします」と指示を出した。

 セルシン注射液は1アンプル当たり5mgと10mgの2つの規格がある。A氏は5mgの規格しか知らなかったので、看護師に手渡された10mgのセルシンが入ったものを確認することなく、そのまま筋注した。その後、男性の呼吸状態が悪化。一時呼吸停止となりバックバルブマスクで呼吸管理を行い、一命を取り留めた。「普段勤務する病院では5mgしか採用されておらず、当時は10mgの規格があると知らなかったため指示が曖昧になった」とA氏は振り返る。

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