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特集◎医療事故調で現場はどうなる(3)論点1
調査対象になる「予期せぬ死亡事故」って?

 医療事故調査制度が対象とするのは、「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産で、管理者が予期しなかったもの」。それに該当するかを院長が判断し、第三者機関に報告した上で院内調査を行う。

 だが、「そもそもどういう症例が『予期せぬ死亡事故』に当たるのかが明確でない」という意見が多く、既に制度開始後の混乱が予想されている。

 「医療」の定義は、手術や処置、投薬とそれに準じる医療行為。火災・地震や偶発的な疾患、原病の進行、自殺、院内での殺人・傷害致死などは除外される。一方、「予期せぬ死亡事故」とは、(1)医療提供前に患者に死亡・死産が予期されていることを説明、(2)死亡・死産が予期されていることを診療録などに記載、(3)当事者や医療安全管理委員会から病院長が聴取し、死亡・死産が予期されていた──のいずれにも該当しないと管理者が認めたものと定義されている。

 「予期せぬ死亡事故」の解釈は、現段階では人や組織によってばらついている。「診療録に『出血リスク、死亡リスクあり』と書けば報告・調査対象にはならない」(弁護士の田邉氏)から、「たとえ出血リスクを患者に説明していても、想定した部位以外からの出血で死亡したのであれば報告・調査対象」(全日病の西澤氏)まで。省令・通知案をまとめた検討会でも具体例の共通見解は得られなかった。

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