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シリーズ◎2016診療報酬改定
リハビリ評価、効率に応じて一部包括化を検討
維持期リハビリは介護保険に移行する方針を確認

 中央社会保険医療協議会中医協)は12月2日の総会で、2016年度診療報酬改定におけるリハビリテーションの評価のあり方について議論した。厚生労働省回復期リハビリテーション病棟に入院する患者へのリハビリについて、提供した量に対する効果が一定基準を下回る場合、1日6単位を超えた分を入院料に包括することを提案したが、診療側委員からは慎重な意見が相次いだ。

 入院患者へのリハビリは、原則として1日6単位(1単位20分)以内とされている。だが、回復期リハビリ病棟では、「心大血管疾患リハビリテーション料」「脳血管疾患等リハビリテーション料」などの疾患別リハビリ料を1日9単位まで算定できる。さらに、回復期リハビリ病棟に入院する患者に1日6単位以上のリハビリを提供した場合、「リハビリテーション充実加算」として1日につき40点を算定できる。

 厚労省によると、1日当たりの平均リハビリ実施単位数は、疾患などによってばらつきがあった。また、回復期リハビリ病棟入院料1、2を算定する病棟の2割近くでは、入院患者の9割以上に1日平均6単位を超えるリハビリを行っていた。

 1日平均6単位を超えるリハビリの提供により、3単位超6単位以下の場合に比べて1日当たりの日常生活動作(ADL)の上昇幅は大きくなる傾向があった。一方で、1単位当たりの効果としては小さくなる傾向も見られた。さらに、1日平均6単位超のリハビリを提供していても、3単位超6単位以下の医療機関に比べて10日当たりのADLの向上度合いが低い医療機関もあった。

 こうした実態を踏まえ、厚労省は回復期リハビリ病棟の入院患者へのリハビリについて、効果に基づく評価を行うことを提案。具体的には、提供量に対する効果が一定の実績基準を下回る場合、1日6単位を超える疾患別リハビリ料を入院料に包括する案を提示した。

 この提案に対し、健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏は、「医療機関ごとの差が大きく、漫然とリハビリを行っている医療機関もあるのではないか。提供するリハビリの質を検証し、是正すべき点があれば是正すべき」と訴え、支持した。一方、日本医師会副会長の中川俊男氏は、「モラルハザードが疑われるケースに対しては、個別に対応を考えるべきだ。リハビリの算定に上限を設けると、“リハビリ難民”の発生にもつながりかねず、慎重にすべき。何らかの上限を設けるのであれば、対象患者像を明確にしてほしい」として、部分的な包括化にも慎重な姿勢を示した。

 さらに、全日本病院協会副会長の猪口雄二氏も、「入院患者の症状は一定ではないため、効果の出方も異なる。高いところを高く評価するのは構わないが、もう少し多面的に評価できないか考えてほしい」と話した。結局、診療側と支払い側で見解が分かれ、結論には至らなかった。

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