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シリーズ◎2016診療報酬改定
重症児の受け入れ実績を機能強化型訪問看護ステーションの要件に
現行の看取り件数の算出方法は見直し、算定しやすくする方針

 中央社会保険医療協議会中医協)は11月11日の総会で、2016年度診療報酬改定における訪問看護の評価のあり方について議論した。機能強化型訪問看護ステーションの看取り件数の算出方法を見直すことや、重症児の受け入れ実績を評価することなどを検討した。

 2014年度改定では、24時間対応やターミナルケア、重症度の高い患者の受け入れなどを行っている訪問看護ステーションを「機能強化型」として評価することになった。機能強化型では、常勤看護職員数、24時間対応体制加算の届け出、年間の看取り件数などの算定要件を課している。2015年9月時点で、機能強化型1を届け出ている事業所は137、機能強化型2は171あった。

 中医協の診療報酬改定結果検証部会の調査によると、現時点で機能強化型を届け出ていない訪問看護ステーションのうち、約3分の1は今後、機能強化型を届け出る意向があった。現時点で届け出ていない理由で多かったのは、「看護職員数が少ない」「看取りの件数が少ない」などだった。

 看取り件数について、現在は「訪問看護ターミナルケア療養費」または「ターミナルケア加算」の算定が機能強化型1では年20回、機能強化型2では年15回以上という要件が課されている。厚生労働省の調査によると、訪問看護ステーション1カ所当たりの年間合計看取り件数は、機能強化型1が平均約30件、機能強化型2が平均約20件、それ以外では平均約5件。ただ、医療機関が「在宅がん医療総合診療料」を算定するケースでは、訪問看護ターミナルケア療養費やターミナルケア加算を算定できないため、機能強化型の算定要件としての看取り件数には含められない。

 厚労省の試算によると、仮に在宅がん医療総合診療料を算定するケースも看取り件数に含めると、看取りの件数は増え、年15回という算定要件をクリアできる訪問看護ステーションの数が8%増えた。そこで、厚労省は機能強化型の算定要件である年間の看取り件数に、在宅がん医療総合診療料を算定するケースも含められるよう、算出方法を見直すことを提案した。

 さらに、重症児がNICUなどから在宅療養にスムーズに移行できるよう、小児の訪問看護に積極的に取り組む訪問看護ステーションを機能強化型として評価することも提案した。具体的には、機能強化型の要件に超重症児などの小児を24時間体制で受け入れている実績を組み込む考えだ。

 こうした提案の背景には、小児の訪問看護のニーズが高まっていることがある。訪問看護を利用する小児は増え続けており、2001年に比べて9.5倍に増えた。長時間の訪問を評価する「長時間訪問看護加算」は小児の算定者数が多く、1カ月当たりの算定回数も多い。一方で18歳未満の利用者を受け入れている訪問看護ステーションは全体の約5割にとどまっている。

 厚労省のこれらの提案に対し、委員から反対意見はなく、了承された。

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