日経メディカルのロゴ画像

シリーズ◎2016診療報酬改定
地包ケア病棟での急性期対応の評価が焦点に
日医と四病協が包括以外の新報酬体系の導入を提案

 中央社会保険医療協議会総会(会長:東京大学大学院法学政治学研究科教授の田辺国昭氏)が10月28日に開かれ、2016年度診療報酬改定に向けて急性期後・慢性期入院医療の評価のあり方、退院支援の取り組みの報酬体系などに関する議論を進めた。その中で日本医師会(日医)と四病院団体協議会(四病協)は共同で、地域包括ケア病棟での急性期の対応を考慮した報酬体系の導入を提言した。

 地域包括ケア病棟は2014年度改定で新設され、急性期後の患者や急性増悪した在宅患者の受け入れ機能、在宅復帰支援の機能を発揮することが期待されている。さらに、7対1病床の絞り込みが強まる中、その“受け皿”(病棟転換先)となる役割も担っている。2015年4月時点で地域包括ケア病棟入院料や入院医療管理料を届け出た病床数は3万1700床で、7対1一般病棟入院基本料を届け出ていた病床からの転換が最も多かった。

 一方で「2014年度入院医療等の調査」では、地域包括ケア病棟の入院患者の80%弱は急性期病床からの転棟患者であることが判明。急性増悪した在宅患者の受け入れが進んでいないことが分かった。また入院患者の疾患を見ても、退院の見通しの立てやすい骨折や外傷が多く、患者の半数近くは入院時から退院予定が決まっていた。この背景には、地域包括ケア病棟では手術料や処置料などが入院料に包括されているため、手術や輸血などが必要になるケースが少なくない在宅患者を受け入れにくくなっている事情があることが指摘されている。

 こうした現状の改善のため、日医と四病協は新しい報酬体系を提案。現行の包括報酬に加えて、急性期の患者に対応できるよう、診断群分類に応じて報酬を支払うといった体系を創設することを提言した。さらに、地域に密着した病院と基幹型病院の機能の違いに着目。許可病床200床未満の病院については、急性期対応病床を持たず地域包括ケア病棟入院料のみ届け出た場合に新報酬を算定できることとしたほか、許可病床200床以上の病院では地域包括ケア病棟入院料を算定できる病棟を1病棟に限る案も示した。

 中医協委員で日医常任理事の鈴木邦彦氏は、大規模な病院が一部の病棟を地域包括ケア病棟に転換し、7対1病棟から入院患者を転棟させている現状を指摘。「急性期病院が全て抱え込んでしまうと、地域連携が進まなくなる」とした上で、地域の中小病院などへの転院を促すべきだと主張した。

 これに対して、保険者側の委員である健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「7対1病棟からの移行を促進するために地域包括ケア病棟の包括報酬は前回改定で高めに設定した。この包括報酬に急性期の対応も含まれているという認識だ」と述べた上で、届け出病棟を制限する日医と四病協の案について、7対1病棟から地域包括ケア病棟への転換が制限される懸念を示した。

 提言内容の具体的な議論は、次回以降の中医協で行う。

この記事を読んでいる人におすすめ