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シリーズ◎2016診療報酬改定
DPCII群の選定要件に内科診療の実績を追加へ
機能評価係数IIには重症患者への対応機能を評価する新係数を導入

 中央社会保険医療協議会中医協)の診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」(会長:東邦大特任教授・小山信彌氏)は10月14日、2016年度診療報酬改定に向けて適切な医療機関群や基礎係数、機能評価係数IIのあり方について議論した。選定要件を検討することになっていたII群病院では、「高度な医療技術」の評価項目として従来の外科手術実績に加えて内科系疾患の診療実績が盛り込む方針となった。

 DPC対象病院は、機能や役割によってI~III群の三つに分類され、群ごとに一律の基礎係数が設定されている。I群は大学病院の本院、II群は高い診療密度を有する病院、III群はその他の急性期病院だ。これまでの中医協の議論で、II群の病院に対して「地域における機能」を要件としたり、絶対値を基準とした絶対評価の枠組みを導入することが検討されていた。

 だが、厚生労働省は地域における機能について、評価を行うためのデータがないこと、客観的評価による基準の設定が困難なことなどを理由に、次期改定以降に検討することを提案。委員もこれを了承した。

 一方で、現在のII群の要件にある高度な医療技術の内容を見直し、内科系疾患の診療実績を盛り込む考え。従来は外科系学会社会保険委員会連合(外保連)がまとめた外保連試案にある外保連手術指数や手術実施件数を指標としていた。ここに、内科系学会社会保険連合(内保連)がまとめた「特定内科診療」で挙げた25の疾患・病態の症例数、症例割合などの指標を加える見込みだ。特定内科診療で挙げられた疾患・病態としては、重症脳卒中、髄膜炎・脳炎、重症筋無力症クリーゼ、てんかん重積状態、気管支喘息重症発作などがある。

機能評価係数IIに新係数追加、後発医薬品係数は上限を70%に引き上げ
 このほか、機能評価係数IIについても見直しが提案された。

 I群病院のうち、分院よりも機能の低い病院や、精神病床のない病院については保険診療係数で評価を下げる方針。具体的には、「II群の実績要件のうち、一定項目以上でI群病院よりも機能が高い大学病院分院(DPC対象病院)を持つI群病院」「II群の選定要件決定の際に外れ値に該当したI群病院」「精神病床を備えていないI群・II群病院」に該当する場合、保険診療指数の評価を減算する見通しだ。

 さらに、「重症患者への対応機能」を評価するため、新たな係数を導入する予定。具体的には、包括範囲出来高実績点数と診断群分類点数表との比により、手厚い診療実績を評価するとみられる。

 従来、診断群分類点数表で反映しきれない重症度の差は、調整係数によって評価していた。だが、2018年度改定で調整係数が廃止されるため、この係数に代わる新たな係数が必要と指摘されていた。

 2014年度改定で導入された後発医薬品係数は、政府が掲げる数量シェア目標値が「2017年の間に70%以上」であることを受け、評価上限を60%から70%に引き上げる。

 これらの提案は了承され、近く中医協診療報酬基本問題小委員会に報告される見通しだ。

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