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特集◎日常診療に潜む危険《エボラウイルス病》
一般医もエボラ患者の病期と経過は理解を

 発熱で来院した患者に感染国への渡航歴が判明したら、あなたはどう対応するだろうか。

 西アフリカを中心に猛威を振るっているエボラウイルス病(日本の感染症法では「エボラ出血熱」)。2015年3月18日のWHO発表では、累計感染者数(疑い例含む)は2万4701人で、うち1万194人が死亡している(致死率41.3%)。医療従事者の感染も多く、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国累計で852人に達した。死者は492人で、致死率は57.7%と全体を大幅に上回っている。

 当初は日本でも、遠い国の出来事との受け止め方が大半だった。それがスペイン、米国と二次感染例が立て続けに発生、しかも患者が医療従事者だったことで事態は一変した。

 日本政府も水際対策の強化に乗り出すなど、国内で患者が確認された場合の対策に追われた。検疫体制を強化し、ギニア、リベリア、シエラレオネへの21日以内の滞在歴が把握された人については、1日2回、健康状態を確認するようにした。また、流行国から帰国後1カ月の間に発熱した場合は最寄りの保健所に連絡して指示に従うよう呼び掛け、一般の医療機関の受診は避けるよう要請した。治療は、特定感染症指定医療機関や全国45の第一種指定感染症医療機関が担うという体制も明確にした。

 つまり、現在の対策は、疑い症例が一般の医療機関を受診しないことを前提としている。しかし、これまで確認された疑い例6人(全員エボラ陰性)の中には、市中の診療所を受診した事例があった。それも感染国への渡航歴を告げないまま診察を受けていたことが判明。一般の医療機関は、「万が一」を想定した対策を検討せざるを得なくなっている。

エボラ患者の病期を知る
 では、エボラ疑いの患者が受診した場合に備え、一般医療機関は何をすればいいのか。

 国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長の大曲貴夫氏は、相手を知るという意味で、「エボラ患者の病期の進み方と病期別に見たエボラウイルス量のイメージを理解しておくことが大切」と話す(図1)。

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