
筑波技術大学保健科学部の石山すみれ氏
難治性の片頭痛に対して、海外では末梢神経野刺激(PNfS)によるニューロモデュレーション治療が検討されている。これまでに鍼治療を用いてPNfSを再現することで、治療効果が得られることを発表していた筑波技術大学保健科学部の石山すみれ氏らは、その効果をfMRIを用いて測定できる可能性を見出し、2020年5月21日に開催された第36回日本ニューロモデュレーション学会(大阪府豊中市の会場とウェブ配信のハイブリッド開催)で発表した。
これまで石山氏らは、一次性頭痛に対して、鍼を用いた後頭部C2末梢神経野鍼通電療法により、疼痛の軽減(患者数54人、疼痛強度は平均7.4から4.9に減少、P<0.001)を認めることを発表していた。ただし、その作用機序は不明だったため、今回、安静時における脳活動を測定できるResting state fMRI(rsfMRI)を用いて、Functional Connectivity(FC、機能的接続)を検討した。FCとは、脳部位間の時間的な相関関係を示すもので、解剖学的な接続性とは異なる領域間でも見られる。