日経メディカルのロゴ画像

特集◎輸液の誤解 Vol.5 《低Na血症》
【誤解】食べられない患者に「とりあえず3号輸液」
【正解】医原性低Na血症の温床。漫然投与はご法度

Illustration:前田はんきち

 入院患者に高頻度で見られる低Na血症。実はその多くが、低張輸液の漫然投与による医原性のものである可能性が指摘され、専門家の間で問題視され始めている。

 「小児科領域を中心に、ここ数年、海外で医原性低Na血症に関する報告が相次ぎ、注目されるようになった。腎機能の低下した高齢者でも同様の問題が生じていることが懸念される」。こう指摘するのは、聖路加国際病院(東京都中央区)腎臓内科医長の長浜正彦氏。とりわけ、わが国で問題となるのが、「維持液」と称される3号液のルーチン投与である。

転倒や認知機能低下のリスクも

 表3の通り、人間が喪失する体液の大半は低張だ。失った体液を補う分だけ低張輸液を入れるのであれば問題は生じないが、「入院中の患者には、概して必要以上の量の輸液が投与されているケースが多い」と聖マリアンナ医大腎臓・高血圧内科准教授の柴垣有吾氏は指摘する。「中には、食事は摂取できなくても、水は飲んでいるという人もおり、そうした患者の場合、輸液と併せて相当過剰に低張液を摂取していることになる」(柴垣氏)。

この記事を読んでいる人におすすめ