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シリーズ◎どうなる新専門医制度
外科学会は5月から専門医研修プログラムを募集

現段階の想定スケジュールを発表する日本外科学会専門医制度委員会委員長の北川雄光氏(慶應義塾大学外科教授)。

 2018年4月に予定される新専門医制度のスタートに向け、基本領域の学会は着々と準備を進めている。第117回日本外科学会定期学術集会では、「専門医研修・育成内容の質の向上」を第一の目標として、地域医療への配慮と専門医の質向上のバランスを取りながら、外科専門医研修の準備を進めていく方針を明示。日本専門医機構が示した新整備指針に基づいた整備基準はすでに作成していることに加え、5月からは研修プログラムの募集を始め、8月には専攻医を募集という現段階の想定スケジュールを同学会専門医制度委員会委員長の北川雄光氏(慶應義塾大学外科教授)が明らかにした。

 新専門医制度は2017年春のスタートが予定されていたが、地域医療への影響を懸念する声が強く、昨年7月に開始時期の1年延期が決定された。日本外科学会もこの方針に合わせ、2017年度の研修は既存の制度を維持することを表明していた。だが、実際には新専門医制度用に準備して一次審査に合格した188の基幹施設(研修プログラム)のうち、68施設が今年4月より試行的に研修プログラムの運用を始めている。

地域医療への影響を勘案し調整重ねる
 この188の研修プログラムの内訳を振り返ると、2017年度の外科専門医研修施設の数は、日本外科学会指定施設が1221施設、関連施設が854施設の計2075施設。新専門医制度の導入に向けて基幹施設の要件を厳格化したが、一方で連携施設基準を緩和したことにより裾野が広がり、新たに86施設が研修施設として加わっていた。

 研修プログラムが1つのみの都道府県は20県。日本専門医機構は原則として都道府県ごとに複数の基幹施設を置くことを各学会に求めている。だが、1つの都道府県の中に離島やへき地への専攻医派遣を行う研修プログラムと、地域の大都市の医療機関のみで構築された研修プログラムがあれば、都市部のプログラムに専攻医が集まり、「結果として離島やへき地への専攻医派遣ができなくなってしまう。それを回避し、末梢まで血を巡らせるために奨励した」と、北川氏は当時のプログラムの承認理由を説明した。

 今後、機構の方針に沿って1つの都道府県内に複数のプログラムを立ち上げる際には、「へき地や離島などは分担してカバーしていただきたい」と求めた。

 また、昨年の一次審査を終えた時点では「プログラムに参加しない二次医療圏を極力減らす調整を重ね、344医療圏のうち、14医療圏にまで減らした」と報告。当初、研修プログラムに参加していなかった342施設に対しては、学会が参加意向を1施設ずつ問い合わせ、参加希望があった93施設については参加を仲介。初年度の専攻医受入希望数については、総募集数が多いと都市部や大規模施設に集中してしまう可能性があるため、大規模施設には厳しく、小規模施設は100%認めるなどの調整をしたという。

サブスペシャルティー領域は6領域
 北川氏はサブスペシャルティー領域に関する方針にも言及。外科領域のサブスペシャルティー領域は現状の4領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科)に乳腺外科、内分泌外科を加え6領域とすることを報告した。

 さらに、基本領域とサブスペシャルティー領域の連動研修を認め、基本領域の外科専門研修中に経験した症例経験はサブスペシャルティー領域の研修としても算定できるようにすること、サブスペシャルティー領域の研修登録は基本領域の外科専門研修の2年目以降から認めること、2つ目の基本診療領域専門医の取得、いわゆるダブルボードも協議の上検討することも明らかにした。

8月の専攻医募集を目指し、準備
 北川氏は、2018年度からの新制度導入に向け、日本外科学会が想定するスケジュールを説明。5月に新整備指針に基づいた研修プログラムの募集を始め、8月には専攻医の募集を開始する方針を示した。

 なお、研修プログラムに加わる施設には(1)NCD(National Clinical Database)の参加、(2)2015年NCD登録総症例、指導医数に応じて専攻医募集数を算定すること――を条件に定めている。

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