日経メディカルのロゴ画像

シリーズ◎どうなる新専門医制度
新外科専門研修プログラムの整備基準が明らかに
ベテラン外科医はNCDによる実績証明を免除し配慮

4月に公表された「外科専門研修プログラム整備基準(第6.2版)」と新外科専門医制度について解説する慶應義塾大学の北川雄光氏

 日本外科学会は4月、日本専門医機構により承認された「外科専門研修プログラム整備基準(第6.2版)」を同学会のウェブサイト上で公表した。第115回日本外科学会定期学術集会(4月16~18日、名古屋)で開催された「外科専門医制度アナウンスメント」で慶應義塾大学外科学教室一般・消化器外科教授の北川雄光氏が、経緯と重要なポイントについて講演した。

 新しい専門医制度とは、従来はそれぞれの学会が個別に行っていた専門医の認定や更新を、日本専門医機構が行うようになること。専門医の認定や更新の基準をある程度そろえて専門医の質のばらつきをなくしたり、更新基準に診療実績を盛り込むことで専門医の質の向上につなげる狙いがある。原則として18の診療科からなる基本領域1つと、サブスペシャリティ領域1つという2段階制となる見込みだ。

 基本領域では2つ以上の併用は「必要ない」として原則認めない方針。北川氏は、「サブスペシャリティを5つも10つも取得するような時代は終わり」と語り、サブスペシャリティ領域も基本的には1つという簡素な構造が原則となりそうだ。現段階では、外科専門医のサブスペシャリティとして消化器外科専門医、心臓血管外科専門医、呼吸器外科専門医、小児外科専門医の4つが検討されている。

 新専門医の更新基準は、(1)勤務実態の証明(自己申告)、(2)診療実績の証明、(3)講習受講となる。外科専門医の場合、(2)の実績の証明はNCD(National Clinical Database)登録をもって行う。NCDとは、外科学会をはじめ臨床に関連する数多くの医学会が連携し、国内の医療の現状を把握するための組織のこと。外科専門医の認定例数は350例(術者として120例)以上を継続する。更新は5年間で100例以上の手術実績となる。

 ただしこの方法では、マネジメント役職に就いたベテランの外科医の場合、技術も経験もありながら専門医資格を失う恐れがあり、若手医師が外科専門医に進む上で躊躇する要因ともいわれてきた。そこで、4回目の専門医更新時にはNCDによる実績の証明を免除することを提案し、日本専門医機構の認定を受けた。そのため、専門研修プログラムを作成する基幹研修施設は、会費納入が必要なNCD登録参加施設であることが必須となる。

 専門研修指導医は、日本専門医機構共通のもので、「これまで外科学会が使用してきた指導医とは意味が異なる」(北川氏)。まず、2年間の初期臨床研修を終えた医師が、外科専門医の取得を狙う専攻医として3年以上修練する。その後、5年に一度の専門医更新を1回以上経て、最短では卒後10年で専門研修指導医として活動できるようになる。なお、既存の外科学会指導医の今後については検討中だという。

この記事を読んでいる人におすすめ