「研修制度の導入当初は、何をどう教えればいいのか分からず、戸惑う指導医が多かった」。筑波大の前野哲博氏は、制度導入時をこう回想する。
当時、指導医における制度の評判は決してよいものではなかった。6割以上の指導医が新制度に「不満」と回答したアンケート結果もあった。これは、全日本医学生自治会連合が約200の研修病院の研修医と指導医を対象に2005年11月に行ったもの。また当時、指導医の労働環境が過酷だと指摘する声も少なくなかった(本誌2006年3月号特集「新臨床研修の2年間を総括」60ページ)。
制度導入から10年が経過した今、指導医の負担は軽減したのだろうか。また、指導医という役割はどう受け止められているのだろうか。
「指導医に掛かる負担はそれほど減ってはいない」と、前野氏は指導医の現状を代弁する。実際、全国の指導医を対象に2012年に実施されたアンケート調査では、「指導に掛かる負担は少ない」という声は約3割と少なかった(図14)。
2014年4月号特集◎臨床研修制度で医療は前進したか
特集◎臨床研修制度で医療は前進したか《vol.7》指導医の負担
指導医は“働き損”なのか
「教育は医師の務め」が浸透
2014/04/15
小板橋 律子=日経メディカル
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
この連載のバックナンバー
-
2014/04/15
-
2014/04/14
-
2014/04/13
-
2014/04/12
-
2014/04/11