わが国の高齢化率はついに25%に達し、高齢患者は増える一方だ。高齢者の診療では、嚥下機能をはじめとする身体機能の低下などを踏まえ、患者のQOLを高めることがこれまで以上に求められる。飲み込みやすい剤形や侵襲性の低い検査、身体・認知機能を補うロボットなど、高齢者の体と心にやさしい新技術が続々開発されている。
高齢者は嚥下機能や認知機能が低下していることもあり、薬の効果を確実に得るには患者に適した剤形の選択が重要だ。高齢者でも服用しやすい口腔内崩壊錠(OD錠)やフィルム剤、嚥下機能に左右されない貼付剤など、工夫を凝らした薬剤が相次ぎ登場している。