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特集◎開業で医療を変える Vol.2
国内初、心臓画像診断に特化
心臓画像クリニック飯田橋(CVIC)(東京都新宿区)院長 寺島正浩氏

てらしま まさひろ氏
1993年神戸大卒。国立循環器病研究センター、米スタンフォード大循環器内科などを経て、2009年11月に開業。
写真:秋元 忍

 心臓画像クリニック(CVIC)飯田橋は、国内初かつ世界でも珍しい心臓の画像診断を専門とする診療所だ。

 CVICを開業した寺島は、神戸大卒業後、米スタンフォード大循環器内科に留学、帰国して国立循環器病研究センターに勤務するも、スタンフォード大に招聘されて再度渡米。同大循環器内科で日本人初のファカルティ(正規教員)となった経歴を持つ。その役職を捨てて日本に帰国し、2009年11月に都内に開業した。

 CVICは、病院や診療所から紹介された患者を主な対象として、心臓画像診断を実施している。侵襲性の高い心臓カテーテル検査に代わる検査法として、循環器の臨床現場に普及しつつある冠動脈CT検査。それに加え、心臓MRI検査をも実施する。

 「心筋を観察することは治療の方針を決める上で重要。心筋を見るには、MRIの方がCTより優れている」と寺島。心臓MRIは将来、心臓の標準的な検査となると予想する。しかし現在、技術的難易度の高さ、検査時間の長さなどがネックとなり、心臓MRIの普及は遅れている。

 CVICは、1台の1.5テスラMRI装置で月間200件という心臓MRI検査数を誇る。この検査数は「全国の心臓MRIの1割に相当する数」(寺島)となっている。MRI検査を心臓のみに特化することで、設定に必要な時間を短縮し、1日に10件ほどの検査を実施可能とした。一方冠動脈CT検査も、月間約250件実施している。

MRI、CTとも、依頼即日に実施
 一般的に、病院内のMRI装置は、様々な科の検査予約で埋まっている。中でも、検査に必要な時間が約1時間と、頭部MRIなどと比べて長い心臓MRIの予約はなかなか取れないのが現状だ。その検査を、依頼当日に請け負うのが、CVICの最大の売りだ。

 病院からの依頼を受けて行うのは、院内で心臓MRIの予約が取りにくい場合に加え、心不全や不整脈など、心臓MRIが向かないと一般に考えられている基礎疾患を有する患者の検査だ。心房細動を有する患者でも、データを特殊な方法で後処理することで心臓MRIが可能だが、そこまで心臓MRIに習熟した検査が行える病院は限られる。また、カテーテル治療前に、心臓全体の状態を把握したいとの理由で、心臓MRIの依頼を受けることもあるという。

 病院からの依頼に加えて、MRI装置を持たない一般診療所からの検査依頼も増えてきている。現在、患者の4割は診療所からの紹介だ。

 例えば、胸痛を主訴に診療所を受診した患者は、通常であれば、紹介先の病院で精査を受けるまで1~2カ月待たされる。中には、その間に心筋梗塞を発症する例もある。このような患者がCVICに紹介されると、当日、画像検査を受け、緊急の治療が必要と診断された場合には、救急車もしくはタクシーで、その日のうちに、東大病院などの連携先に搬送、カテーテル治療を直ちに受けられる。

 寺島は、そのような患者に対して、検査画像を基に、治療の必要性、実際の治療でどのようなことを行うかまで説明する。そのため、「受け入れ医療機関では、迅速に治療を開始できると喜ばれている」と言う。

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