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2013年5月号特集◎ここまで来た!心血管病の予防医療 Vol.5
ED患者は心血管病予備軍

写真2 糖尿病患者における内陰部動脈の画像所見(提供:佐々木氏)
陰茎背動脈に数珠状の変化や海綿体動脈の狭窄、閉塞が認められる。

 「勃起不全ED)は、心血管イベント発症の予測因子として最も分かりやすい症状だ」と話すのは昭和大藤が丘病院泌尿器科教授の佐々木春明氏だ。

 EDの有病率は40歳代で約20%、50歳代で約40%、60歳代で約60%と加齢とともに上昇し、国内の患者数は推計1130万人とされる。

 健常男性では、性的な刺激によって陰茎の神経末端で神経型NO合成酵素(nNOS)が活性化され、NOが放出される。それに伴い血管径が1~2mmの陰茎動脈が拡張する。すると陰茎の海綿体へ平常時よりも多く血液が流れ込み、海綿体が血液を吸い硬くなることで勃起が起こる。

 だが、動脈硬化の患者では、陰茎動脈が拡張せず、海綿体の膨張に十分な血液量が流れ込まなくなる。それが動脈硬化による器質性EDだ(写真2)。

EDは心血管病発症の前兆
 2010年には、心血管病の患者をEDの有無で分け、予後を5年間追跡したところ、EDを生じていた群は生じていない群に比べて全死亡率や心血管イベントの発生率などが有意に高いことが示された(図7)。実際の診療でも、「糖尿病や高血圧など生活習慣病の患者は、器質性のEDを発症している例が多い。当院ではED患者にPWVとIMTを実施しているが、動脈硬化が進んでいる患者をよく見る」と佐々木氏は言う。

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