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日経メディカル2013年3月号「特集 合剤を使いこなす」転載 Vol.5
慢性疼痛:アセトアミノフェンとオピオイドの合剤が登場
NSAIDsでは除痛困難例に、胃腸障害なく長期連用が可能

 腰痛症や変形性膝関節症、関節リウマチなど、非癌性の慢性疼痛に悩む患者は多い。だが長年、治療薬は限られていた。

 最も使われていたのは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)だが、長期連用により胃腸障害などを来す恐れがある。最近になり麻薬性鎮痛薬の貼付薬であるフェンタニルも使えるようになったが、薬剤の管理が煩雑だ。日常臨床で使いやすく、かつ長期に安全に投与できる鎮痛薬が求められていた。

 そこに新たな選択肢として2011年に登場したのが、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェン325mgと、オピオイド鎮痛薬トラマドール37.5mgを配合した「トラムセット」だ。異なる作用機序の鎮痛薬の組み合わせにより、幅広い鎮痛効果を発揮する。

 実際、治験は冒頭の3疾患のほか、糖尿病神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛など多様な原疾患を持つ患者を対象に実施された。治験を担当した東京女子医大東医療センター整形外科准講師の井上靖雄氏は、「原疾患によらず一定の疼痛改善効果が見られた」と話す。

「1日1錠から開始」が安心
 トラムセットは、NSAIDsでは疼痛コントロールが不十分な患者や、NSAIDsの長期服用が必要な患者で使用を検討する。「NSAIDsを服用して1カ月ほどたった患者で、引き続き服用が必要となれば、胃潰瘍や腎障害のリスクを考慮してトラムセットに切り替えている」と井上氏は説明する。

 ただし、投与初期に吐き気や眠気などの副作用が高率に表れる。それが最大のネックだ。「副作用を最小限に抑えるには1日1錠から投与を始め、徐々に増量していく必要がある」(井上氏)。

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