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特集●保健所発!臨床医が知っておきたい「結核」のこと Vol.3
結核診断後の届出や公費申請は、ここに注意

2011/09/02
平成23年度 結核予防会結核研究所 結核対策合同アドヴァンスコース受講生有志(編集担当:北里大学医学部公衆衛生学講師 和田耕治)

第3回 結核診断後の接触者調査や届出
 前回に引き続き、保健所医師から臨床の先生方にお伝えしたい結核診療の注意点を紹介します。今回は、結核診断後の接触者調査や届出についてです。

1)接触者調査・潜在性結核感染症治療(予防内服)
 結核の接触者健診の目的は、(1)潜在性結核感染症の発見と進展防止、(2)新たな結核患者の早期発見、(3)感染源および感染経路の探求、の3つです。接触者健診は感染症法第15条と第17条に基づいて行われます。

 新規患者の発見がお盆、お正月、ゴールデンウィークなどに重なると、患者とお孫さんやひ孫さんたちとの顔合わせの機会もあるため、乳幼児が予防内服に至るケースもあります。また、働き盛りや若者の結核発病から、会社や学校、塾などで広範囲に接触者健診を実施することになる場合もあります。

 施設で患者と職員の接触があった場合には、健診の計画、その後のフォローアップについて保健所と相談しながら進めていくことになります。これは、「監査」ではありません。感染拡大防止はもちろん、医療安全や、職員の健康管理の面からも重要なステップです。

 接触者健診は、新たな結核患者を減らす上で効率的な方法です。結核の感染拡大防止は、接触者の中から、いかに新規の患者(潜在性結核感染症患者を含む)を発見できるかにかかっています。

 ところが現実には、保健所の調査への協力を拒否される医療機関があります。医療機関だけでなく、患者さんの中にも、行動調査や接触状況等の情報提供に難色を示される方がいらっしゃいます。医療機関や患者さんとの間に信頼関係を構築することを十分に考慮しながら、保健所も対応しておりますので、接触者健診の意義と重要性をご理解いただき、ともに結核対策を進めていければと思います。

 なお、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどと異なり、結核の感染性はそう高くはありません。また、菌の増殖には時間がかかりますので、あわてる必要はありません。接触調査の範囲や具体的な対応について、保健所と相談していただければと思います。

2)公費負担やその他書類に関すること
 結核は感染症法において二類感染症であり、医師は「診断後ただちに」保健所に報告することが求められています。「結核」と診断された場合は、「発生届」の提出とともに、感染拡大防止および患者さんの治療費の公費負担申請のために、感染症法第37条、第37条の2において該当する必要書類等のご提出をお願いいたします。

 ※発生届と別に、公費負担申請の書類、X線写真などの画像が必要になりますが、様式や流れなどについては地域により微妙に異なりますので、お近くの保健所にご確認ください。

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