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日経メディカル臨時増刊 unmet medical needs特集転載 Vol. 5
【抗菌薬】求められる多剤耐性グラム陰性菌への新薬
停滞する新規抗菌薬の開発

 医療現場では今、NDM-1産生腸内細菌や多剤耐性アシネトバクター、多剤耐性緑膿菌(MDRP)など、既存の抗菌薬では十分な治療効果が得られない多剤耐性菌の拡大が危惧されている。

 慶応大病院感染制御センター教授の岩田敏氏は、「バンコマイシン耐性腸球菌やペニシリン耐性肺炎球菌などのグラム陽性菌の耐性菌に対しては、今ある薬剤の高用量投与や併用などである程度カバーできる。現場で効く薬剤がなくて特に困るのは、多剤耐性アシネトバクターやMDRPなどといった多剤耐性グラム陰性桿菌に対する治療だ」と話す。

 1940年代のペニシリン登場以降、セフェム系薬など広域スペクトラムの抗菌薬を中心に、多くの薬剤が発売された。乱用から耐性菌が問題になりながらも、そのつど時代のニーズにあった薬剤の開発が進み、90年代までに多くの薬剤が出そろった。

 だが、その後国内では新規の開発が停滞。80年代の10年間には47種類発売された抗菌薬が、2000年代には15種類まで減少した(図1)。特に深刻なのが、グラム陰性菌の耐性菌に対する有望な薬剤のパイプラインがほとんどないことだ。

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