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特集●潰瘍性大腸炎の新知見 Vol.2
選択肢が続々、多様化する潰瘍性大腸炎の薬物治療
適応追加や用法・用量の見直しなど相次ぐ

大船中央病院の上野文昭氏。「新しい治療薬の登場や用法・用量の見直しが進み、手術を回避できる症例も増えてきている」と話す。

 「潰瘍大腸炎患者は増え続けているが、一方で重症患者の割合は相対的に減少傾向にある。手術施行例も減少している」と話すのは、大船中央病院(神奈川県鎌倉市)特別顧問の上野文昭氏だ。上野氏は、こうした傾向について「寛解導入や寛解維持を目的とした効果的な治療薬が次々と開発され、臨床使用できるようになってきたことが大きい」と説明する。

 潰瘍性大腸炎の治療方針は、病期の見極め、病変部位の特定と重症度の診断によって決定される。「まずは潰瘍性大腸炎の活動期か寛解期かを見極め、活動期であれば寛解導入、寛解期であれば寛解維持のための治療を行う。活動期の場合はさらに、病変部位を特定し、重症度に合わせた治療を行う」と上野氏は説明する。

 従来、中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎では、寛解導入を目的にステロイドが使用されてきた。しかし、昨年以降、中等症から重症の潰瘍性大腸炎で使用できる新しい薬剤が相次いで登場している。今年6月には生物学的製剤で関節リウマチ、尋常性乾癬などに使われるインフリキシマブ(商品名レミケード)の効能に、潰瘍性大腸炎が新たに追加された。また昨年7月には、免疫抑制剤タクロリムス(プログラフ)の効能に潰瘍性大腸炎が新たに追加されている。

 これらの薬剤は適応が中等症から重症の潰瘍性大腸炎となっているため、薬剤を実際に使用するのは専門医となる。例えばインフリキシマブは既存治療で効果不十分な場合の中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対して、体重1kg当たり5mgを1回の投与量として点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以後8週間の間隔で投与を行う。

 インフリキシマブは既に、中等症から重症のクローン病の寛解導入、寛解維持の目的で臨床使用されている。潰瘍性大腸炎への同薬の使用について、上野氏は「承認されたのが最近であり、潰瘍性大腸炎治療における位置付けや使用範囲はこれから考えていくことになるだろう。ステロイド抵抗性、ステロイド依存例はもちろんのこと、将来は何らかの理由でステロイドを回避したいような症例でも使用できる可能性がある」と話す。

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