調査で、「以前に比べて過保護な親が増えている」と答えた人は、開業医で49.3%、勤務医で27.8%だった(Q8)。「小児科」を診療科に選んだ医師に限ると、「過保護な親は増えている」と答えた人は78.5%に上った(Q8)。
ある内科勤務医は、「自分たちが子どものころは『家で寝ていれば治る』と言われたような軽度の発熱や鼻水の場合でも、最近は心配して受診させる傾向にある。医師なら誰もが感じていることだろう」と話す。
過保護だと感じるケースとして最も多かったのは、「軽症で緊急性がないにもかかわらず、救急や夜間外来を受診する」「軽症でも受診する」だった(Q9)。いずれも、過保護な親が「増えている」「変わらない」と答えた人の半数以上が選択。多くの軽症患者の受診で逼迫する小児救急医療の実態が浮き彫りになった。
一方、医師が軽症であると診断し説明しても、容易に納得せず、過剰な検査や治療を要求する親のエピソードも多く寄せられた。
例えば、「37℃台の発熱や軽度の咳嗽、鼻汁でも解熱薬、抗菌薬の処方を求める」「軽度の頭部打撲でもX線撮影やCT検査を要求する」など。昨年のインフルエンザ流行時、感染を懸念した親から、頻回の検査や抗ウイルス薬の予防投与を過剰に求められたケースも寄せられた。
本誌連動◇困った患者2010
本誌連動◇困った患者2010 Vol.5
軽症でも安易に受診させる親に頭悩ます
今どきの困った患者(その2)過保護でわがままな親【調査編】
2010/09/28
内海 真希、二羽 はるな=日経メディカル
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。
この連載のバックナンバー
-
2010/09/30
-
2010/09/29
-
2010/09/28
-
2010/09/27
-
2010/09/24