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特集●PK-PD理論に基づく抗菌薬使用 Vol.2
臨床現場でPK-PD理論をどう活用すればいいのか
愛知医科大学大学院医学研究科感染制御学 教授 三鴨廣繁/助教 山岸由佳

2010/05/24

 抗菌薬PK-PD理論を活用すべき臨床状況を考える際には、(1)個人防衛的側面、(2)集団的防衛側面、(3)社会的防衛側面―の大きく3つの側面を考慮する必要がある。個人的防衛側面とは、有効性を高め、副作用を少なくするないしは防止するという側面であり、具体的な状況としては、重症感染症、MICの高い原因菌による感染症、周術期の予防抗菌薬投与などが考えられる。

 集団防衛的側面とは、耐性菌の発現を抑制すること、社会防衛的側面とは、費用対効果に優れた投与法を行うという観点である。

PK-PD理論に基づく処方設計の考え方
 カルバペネム系薬を例に、PK-PD理論の臨床応用の考え方を説明する。中等症以上の腹膜炎症例において、メロペネム0.5g1日3回/日投与群(A群)、メロペネム1.0g1日2回/日投与群にランダムに割り付けて、PK-PDと臨床効果の関係について検討した成績を示す10)。

 薬剤感受性は、CLSIの微量液体気釈法にしたがって測定した。血中濃度は、2ポイント測定し、ベイズ法によりシミュレーションカーブを作成し、% time above MIC(%TAM)値を得た。その中で、メロペネムのMIC値4μg/mLの菌株に注目し、それらの菌と%TAMと臨床効果の相関を検討した結果を図2に示した。カルバペネム系抗菌薬では、%TAM値が20~30%で増殖抑制作用効果、%TAMが40~50%以上では最大殺菌作用効果が得られることが明らかにされている。

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