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本誌連動◇日本の「実力病院」-日本経済新聞/日経メディカル調査 Vol.5
実力病院調査 今後の課題
医療の透明化と公的情報の開示に期待 日本経済新聞社編集局社会部 前村 聡

 日本経済新聞社日経メディカルが共同で行った「日経実力病院調査」の最大の特徴は、厚生労働省や日本医療機能評価機構など公的機関が公開している、治療実績や医療提供体制などの情報に基づいて、病院を初めて比較したことだ。

 現在、病院に関する情報は、インターネット上などにあふれているが、評価する基準が異なるため、病院同士を比較することができない。公的機関の公開情報ならば信頼度が高い上に、誰でも詳細な情報を入手できる。患者だけでなく、医療関係者にとっても、地域医療の現状を知る貴重な情報となる。

 今回の調査は、(1)症例数(診療実績)(2)患者サービスや病院の運営体制(過程)(3)医療従事者の配置や医療機器など設備(構造)─の3つの軸で病院を比較した。

 いわゆる「病院ランキング」は、症例数だけで病院を比較していることが少なくない。これに対し、「日経実力病院調査」は症例数だけでなく、医療を提供する上で不可欠な運営体制や設備などの情報も併せて提供することで、病院の総合力を比較する狙いがある。

アンケートの限界を克服
 日本経済新聞社では、2003~04年に200床以上の病院を対象に、「患者にやさしい病院」「安全重視の病院」「医療の質を重視している病院」「経営が充実している病院」など、「過程」と「構造」に着目した調査を実施し、「日経病院ランキング」として発表した。

 この調査を踏まえ、その後は「診療実績」を加えて、日経メディカルと共同で「がん治療の実力病院」(04~05年)、「心臓病治療の実力病院」(05~06年)、「脳疾患治療の実力病院」(06~07年)の調査を実施した。いずれも、複数の視点から病院の総合力を比較する試みだった。

 ただいずれもアンケートという限界があった。特に「診療実績」を軸に加え、日本人の3大疾患を対象にした実力病院調査では、学会の調査票などを参考に、各病院から症例数や死亡数などの詳しいデータを入手、計算が合わない場合は個別に問い合わせた上で治療成績を算出するなど精度を高めたが、「そもそもアンケートによる自己申告では信頼度が低い」という指摘もあった。細かいデータを尋ねると、回答率が3~5割強にとどまり、症例数が多く、多忙な病院からの回答を得られないことも少なくなかった。

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