ワクチン接種児や成人の間で百日咳が流行している実態が明らかになったことで、百日咳ワクチンの接種回数を増やすための研究も進められている。10歳代や成人での発症を予防できれば、乳幼児を中心としたワクチン未接種児への感染を防ぐ効果も期待できる。
既に米国では、成人の百日咳の増加を受けて、06年から、11~13歳を対象にジフテリア・破傷風二種混合ワクチンの代わりに百日咳を加えた三種混合ワクチンを接種することが推奨され始めた。わが国でも、これに追随する動きが出ている。
二種混合に代えて三種混合を接種へ
わが国では現在、百日咳のワクチンは、ジフテリア・百日咳・破傷風三種混合(DPT)ワクチンとして、生後3~90カ月(第1期)の乳幼児が4回接種するだけだ。11歳~13歳(第2期)では、百日咳を除いたジフテリア・破傷風二種混合(DT)ワクチンを1回接種する。
そこで日本ワクチン学会と厚生労働省の研究班は、08年9月から09年8月まで、この第2期に、二種混合ワクチンに代えて、百日咳を加えた三種混合ワクチンを接種するための臨床研究を実施した(図1)。
特集●百日咳診断・予防の最新情報
特集●百日咳診断・予防の最新情報 Vol.3
10代への追加接種で百日咳の制圧目指せ
11~13歳でのDTワクチンに百日咳を加える臨床研究が終了
2010/02/26
久保田文=日経メディカル
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