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特集●医療と総選挙2009 Vol.14
医系議員も新旧交代、重鎮・中山氏が苦杯

 今回の衆議院選挙の結果、医師免許を持つ医系議員の新旧交代が進んだ。強い追い風を受けて民主党の新人3人が議席を得た一方で、衆参合わせて10回当選している自民党の中山太郎氏(大阪18区)が苦杯をなめた。

 医系議員の世代交代の象徴は、自民党のベテランで外務大臣も務めた中山太郎氏の落選。民主党の元議員に2万8000票近い差で敗れた。中山氏は、今回の立候補者中最高齢の85歳。自民党は比例区に73歳という定年を設けており、中山氏は重複立候補ができず議席を失う結果となった。

 府議会議員時代からの医師による強力な後援会組織を持つ中山氏だが、高齢でもあり、選挙前から苦戦を予想する声もあった。この7月に成立した改正臓器移植法では、推進役の一人として尽力したが、最近は、医系議員というよりも、憲法や防衛問題に強い議員と見られ、大阪の医療関係者の間でも、必ずしもその評価は高くなかった。

 もう一つの象徴が、民主党で新人医系議員の当選が相次いだことだ。「民主党圧勝」という全体の流れから見れば不思議ではないが、全国的に知名度の高い自民党議員を相手に勝利・善戦した議員が、前職を含めて多かった。
 
元首相を落選させた医師候補も
 その一人が、石森久嗣氏(栃木1区)。47歳の石森氏は、栃木の名門出身で当選9回の船田元氏との激戦が予想されていた(2009.8.25 「医師候補vs.名門政治家、因縁の対決・栃木ルポ」)。

 石森氏は「たたかう!脳外科医」をスローガンに、自転車による選挙活動などで若さと体力をアピール、14万5702票を獲得し、船田氏に3万票以上の大差をつけて勝利した。

 副総理も務めた自民党の大物、故後藤田正晴氏の地盤を引き継いだ後藤田正純氏に、徳島3区で挑んだ仁木博文氏(43歳)も、2度目の挑戦で今回初当選を果たした。小選挙区で後藤田氏に1200票差まで迫り、比例四国ブロックで復活当選した。

 過去2度小選挙区で海部俊樹元首相に敗れ、比例区で復活当選した38歳の岡本充功氏(愛知9区)も、3度目の挑戦の末、大差で雪辱を果たしている。

 今回4回目の当選を果たした社会民主党の阿部知子氏をはじめ、日本共産党や国民新党でも、医師免許を持つ国会議員が政策部門の責任者を務めている。今回政権の座につく民主党はもちろん、野党になる自民党でも、医系議員が医療や社会保障の政策立案を担う重要なポストについて、“現場感覚”を生かしてその改革に奮闘することを望みたい。 

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