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特集●夏の疾患はこう診る Vol.2
治らないとびひで疑うべきポイントは?

 とびひ(伝染性膿痂疹)は、主に黄色ブドウ球菌が原因となって起こる皮膚感染症だ。小児に多く、傷口や引っかき傷から感染するため、汗を多くかき、虫刺されや湿疹などを生じやすい夏場に患者が増加する。通常、抗菌薬の内服や外用による治療を行えば、3~4日で症状は落ち着く。

 しかし、最近ではそうした経過をたどらない例が少なからず見られる。聖隷三方原病院(静岡県浜松市)皮膚科部長の白濱茂穂氏は、「ここ数年、抗菌薬の反応が悪く、治療を始めて3、4日経過しても良くならない症例が目立っている」と話す。

 このような「治しにくい」とびひの原因の1つとして考えられるのが、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)だ。現在、原因菌の2~4割はMRSAだといわれる。実際、白濱氏らが、2008年夏に静岡県内のとびひ患者より分離された黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合を調査したところ、81株の黄色ブドウ球菌のうちMRSAが19株(23%)を占めた。

MRSAの鑑別は、治療開始3~4日目がカギ
 白濱氏によれば、原因菌がMRSAかどうかの判断のポイントは、治療開始から3日目。「抗菌剤の内服を開始して2、3日後に再診した際、症状があまり改善されていないようであればMRSAの可能性が高い」(同氏)。

 初診時には起炎菌が不明なので、白濱氏の場合はまず、セフェム系抗菌薬の内服を第1選択として処方する。外用薬は、MRSAにも有用とされるニューキノロン系抗菌薬のナジフロキサシン(商品名:アクアチム軟膏/クリーム1%)を使用している。

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