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どうなる?2010診療報酬改定

シリーズ●どうなる?2010診療報酬改定 Vol.12
“ドクターフィー”の導入が議論の俎上に
法制面での検討が必要で、来春改定での実現難しく

 中央社会保険医療協議会・診療報酬基本問題小委員会が11月4日に開かれ、病院勤務医の負担軽減DPCなどについて話し合われた。来春の改定に向けて本格的に議論が始まった前回と同様、厚生労働省が新設点数や算定要件の見直しなどに関するたたき台を提示した上で議論を進める方式ではなく、まずは同省が示した論点に沿って委員が自由に意見を交わし合うやり方が取られた。

 病院勤務医の負担軽減策を検討する上での論点として厚労省は、コメディカルの役割を報酬面で評価することで医師とコメディカルの役割を明確化する案を提示。これについて山形大医学部長の嘉山孝正氏は、「医師だけでなく看護師なども不足している状況や、業務を分担したときの責任の所在の明確化を考慮しなければ、医師の負担軽減はうまく図れない」と訴えた。その上で、医学部定員の増加の効果が出るまでしばらく続くと予想される医師不足への喫緊の対応策として、“ドクターフィー”の新設を提案。「今一番求められているのは勤務医のモチベーションアップで、報酬の一部を医師が直接受け取れるようにするなど意欲を引き出すための仕組みが必要だ」と述べた。

 これに対して全国公私病院連盟副会長の邉見公雄氏は、「診療報酬を医師に直接支払う形態にするには健康保険法の改正が必要で、来春の改定には間に合わない。入院基本料の引き上げで対応すれば、医師だけでなく看護師などにも還元されるはず」と主張。支払い側委員も、ドクターフィーの狙いには賛同しつつ、限りある財源を考慮すると、交付金や補助金などで対応する手段も検討すべきとした。

 ただ嘉山氏が、「来春改定に向けての検討対象として優先順位が一番高いのはドクターフィーの導入だ」と主張を譲らなかったため、既存の手術料などに含まれる医師の技術料の明確化といったドクターフィー論議の土台作りも含めて、同委員会で引き続き話し合うことになった。

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