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本誌連動◆制度改正で激化する研修医争奪戦 Vol.3
プログラムはあえて見直さず プライマリケアをみっちり2年
東京都立府中病院

 研修内容の決定の自由度が増した中、あえてプログラムを変えない施設もある。東京都立府中病院(府中市)もその一つ。4月末に厚生労働省が制度改正を発表すると同時に、病院ホームページ上でプログラム内容を変更しない旨を告知した。

 同病院では、臨床研修制度開始時から、2年間でプライマリケアをしっかり学べる研修内容をセールスポイントとしており、募集定員13人に対して、全国から毎年60~100人程度の研修希望者を獲得してきた。

 同病院内科部長で臨床研修プログラム責任者の芝祐信氏は、「今春行った病院説明会では、医学生から『従来の研修プログラムを続けてほしい』という要望がたくさんあり、府中病院としての研修スタンスを貫こうと思った」と話す。

 府中病院のプログラムの特徴は、各診療科のスーパーローテートと、それだけでは学べない部分を補完する「コアカリキュラム」の研修を併せて行う点だ。2年前に自由選択をなくし、基本的に全員が同じ内容の研修を行うようにした。将来どんな診療科を選ぶにせよ、まずは2年間かけて、すべての医師が習得すべき臨床能力、医師として望ましい態度や習慣をしっかり身に付けることを目的としたからだ。

 そのため、専門診療科の研修でも、できる限りプライマリケア領域のものを優先的に学べるようにしている。例えば外科では、長時間の手術に携わるよりも、外来レベルの外傷を中心に診る形にした。各診療科のローテーションで学ぶのが難しいリスクマネジメント、抗菌薬の使い方、緩和医療、臨床研究といった領域については、臨床研修委員会がコアカリキュラムを作成。全研修医が毎週1回集まる時間を設け、2年間のうちに一通り学ぶようにしている。

 また、研修2年目にはERで単独診療できるようにすることを目標に、1年目でERでの臨床能力と画像診断の能力を1カ月間ずつ集中的に習得する期間(コア重点研修)を設けているのも特徴だ(図1)。2年間を通してERで週1回の夜間当直、月1回の休日研修を行い、画像診断については、毎週開催されるカンファレンスに参加する。指導医による6カ月ごとの研修成果の評価もする。

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