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特集●意外と知られていない皮膚疾患 Vol.4
ストレスで出現する難治性蕁麻疹

アドレナリン性蕁麻疹は、周囲に白暈を伴う点状紅斑または丘疹状膨疹が突如出現し、数時間で消退する。

 熊本市立熊本市民病院皮膚科部長の木藤正人氏が、この病態に関心をもったのは20年ほど前。周囲に白暈(はくうん)を伴った点状紅斑が、四肢を中心に認められた患者が受診してきた時のことだ。その特徴的な皮疹を前に、同氏は最初、点状紅斑(樋口)だと診断した。

 ところが、研修医が皮疹の様子を写真に撮ろうとしたところ、みるみる皮疹が消えていってしまった。木藤氏は「点状紅斑(樋口)なら、1~2カ月は皮疹が持続するはず。これは何なのだろうと不思議に思っていた」と振り返る。

 それ以降も木藤氏は、何度か同様の症例に遭遇した。診断を付けられず悩んでいたところ、アドレナリン性蕁麻疹を紹介したW.B.Shellyの論文と出合ったという〔1〕。その後、木藤氏らが初めてアドレナリン性蕁麻疹を診断した時点では、国内でまだ報告がなかった。そこで同氏らは、症例発表を行った〔2〕

 以来、木藤氏は毎年1~2人はアドレナリン性蕁麻疹の患者に遭遇しており、この10年で18人経験した。「もともとストレス時に蕁麻疹が発生するケースがあることは以前から知られていたが、アドレナリン性蕁麻疹はその一つ。遭遇する頻度は少ないが、難治性の蕁麻疹として近医から紹介されてくる」と話す。

β遮断薬が奏功
 アドレナリン性蕁麻疹は、周囲に白暈を伴う点状紅斑または丘疹状膨疹が出現し、数時間で消退する病態だ。皮疹は繰り返し起こり、強いストレスを感じたときや興奮時に出現しやすいといわれている。通常、蕁麻疹では抗ヒスタミン薬を中心とした治療を行うが、これらの治療は無効なことが多い。

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