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本誌連動◇癌治療の最先端 vol.3
放射線治療(その1) 腫瘍内部で核反応を起こさせるBNCT

「中性子線専用の加速器は比較的安価なため、BNCTが普及する余地は大きい」と話す京大原子炉実験所の小野公二氏。

 癌の放射線治療では、正常組織を避け、癌だけを狙う技術の進歩が著しい。

 最近、X線や粒子線照射とは全く違う新たな手法として注目されているのが、京大原子炉実験所附属粒子線腫瘍学研究センター長の小野公二氏が行う、ホウ素中性子捕捉療法BNCT)と呼ばれるものだ。

 原理は次の通り(図1)。まず、ホウ素化合物(ボロカプテイト、パラボロフェニルアラニン)のホウ素をホウ素同位体(10B)にすべて置き換える。ボロカプテイトは、血液脳関門というバリア構造が機能する通常組織には取り込まれにくく、このバリアが壊れた腫瘍内部に選択的に取り込まれる。また、パラボロフェニルアラニンは癌細胞がアミノ酸を積極的に取り込む性質により、癌細胞の内部に多く取り込まれる。

 この腫瘍内部に選択的にとどまる性質を持つ2つの化合物のどちらか、もしくは両方を治療部位に応じて、点滴で投与する。

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