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特集●ついに判決 福島・大野病院事件 vol.4
「妥当な判決」― 各医療団体が声明を発表 

大野病院事件の無罪判決について見解を表明する日本医師会常任理事の木下勝之氏。

 8月20日の福島県立大野病院事件の無罪判決を受けて、多くの医療団体が相次いで見解を表明した。大半の団体が「妥当な判決」と評価するとともに、今回の判決が今後の医療崩壊の歯止めや、新たな死因究明制度として設置が検討されている「医療安全調査委員会」の議論などに寄与することを期待すると意見を示した。現在、「判決内容を精査して控訴するかどうか適切に対処したい」としている福島地検に対して、控訴しないように働きかける団体も目立った。

 判決当日の昼、いち早く声明を発表したのが、大野病院事件を機に産科医不足問題に直面している日本産科婦人科学会。理事長の吉村泰典氏が都内で記者会見して、「実地医療の困難さとリスクに理解を示した妥当な判決」と評価し、この判決が、産科をはじめとした多くの診療科で起きている萎縮医療の進行を解消する機会になることを期待した。

 本件の争点となった癒着胎盤については、極めてまれな疾患で診断も難しく、最善の治療がどのようなものか、今でも学術的議論が続けられているとし、被告の加藤克彦医師が行った診療は医療過誤と言うべきものではないと改めて訴えた。

 日本医師会も同日の夕方に都内で会見を開き、常任理事の木下勝之氏が今回の判決に対する見解を述べた。木下氏は、「医療界が妥当と考えていた判決になった」と評価する一方、事故の発生から1年以上もたってから加藤医師を逮捕・勾留した捜査機関を非難した。その上で、「医療事故の究明は、医療の専門家である医師自身が行って初めて実現できる」とし、異状死の警察への届け出を義務付けた医師法21条の改正と、医療安全調査委員会の法制化を強く求めた。

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