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特集●もし患者が自殺してしまったら ― 医療機関の自殺事故対策
過去3年間に自殺事例あり、一般病院でも3割

「自殺事故が起こっているという現実を直視した上で、ボトムアップにつながる対策が望まれる」と話す横浜市立大准教授の河西千秋氏。

 「入院患者が自殺しても、事後の検討やその後の対策が十分に講じられない場合が残念ながら少なくない。しかし、患者の自殺を“重大な事故”と考えれば、リスクマネジメントの観点から、対策が必要なのは明らか」と、横浜市立大医学部精神医学准教授の河西千秋氏は強調する。

 わが国の自殺者数は、今から10年前の1998年に急増しはじめて以後、年間3万人を超える高止まりの状態が続いている。2006年に「自殺対策基本法」が成立、2007年には内閣府が「自殺総合対策大綱」を発表するなど、国を挙げての対策がなされてきた。しかし、医療機関内での自殺に対する取り組みは緒に就いたばかりだ。

 実は最近まで、医療機関、特に一般病院で、患者の自殺がどの程度起こっているかについての実態調査はほとんどなかった。そこで、日本医療機能評価機構認定病院患者安全協議会は2005年に、認定病院を対象に調査を行った(患者安全推進ジャーナルNo.13、2006年)。

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