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特集●結核診療の最新事情 Vol.3
発病していない結核も治療せよ
学会声明と法改正で環境整うも、「陳旧性の所見があれば」は非現実的?

 結核化学予防と言えば、結核患者が発生した際の接触者健診で、結核感染が強く疑われた若年者に対して行うもの――。そうした常識が、過去のものとなりつつある。

 1999年の「結核緊急事態宣言」以来、わが国では、結核の新規登録患者数が順調に減少し続けている。しかし一方で、結核が蔓延していた昭和初期に結核に感染し、「休眠状態」となった結核菌を保菌している既感染者が、年々高齢化。こうした既感染者が、糖尿病や加齢などにより免疫機能が低下、あるいは悪性腫瘍や関節リウマチ(RA)などで免疫抑制薬を投与された結果、内因性再燃により結核を発病するケースが増加している(vol.1参照)。

 こうした背景から、日本結核病学会と日本リウマチ学会は、2005年、「さらに積極的な化学予防の実施について」という共同声明を発表。初感染の若年者に限らず、結核発病リスクが高い既感染者を積極的に化学予防の対象とすることで、結核の発病をより効果的に防止する方針を打ち出した(表1)。

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