厚労省は透析症例数の増加を問題視する一方で、2008年度から始まった特定健診では、必須検査項目から血清クレアチニン(Cr)を外すという施策をとった。腎機能障害の発生リスクは、尿蛋白検査、血圧測定、血糖検査などにより把握可能であるというのがその理由だが、要はコストの問題で削除の対象になったのだ。
ところが、虎の門病院(東京都港区)健康管理センター部長で、日本腎臓学会・日本人間ドック学会合同委員会の委員長の原茂子氏は、「尿検査だけではCKDの拾い上げは不十分」と指摘する。
原氏らは、茨城県の協力を得て、06年に同県内の36市町村で基本健康診査を実施した、40~74歳の18万7233人(男性6万3849人、女性12万3384人)を対象に断面調査を実施。推算糸球体濾過量(eGFR)60mL/分未満のCKD該当者における、尿蛋白陽性や高血圧の合併頻度を算出した。GFRの推算には日本人のeGFR推算式を使用した。
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