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トレンド◎腫瘍と消化管の間にスペーサーを入れて十分量の粒子線を照射
外科医と放射線治療医のタッグで挑む新・癌治療
小児癌と骨軟部腫瘍を対象に始動、将来は肝胆膵癌にも

 限局性の癌だから切除できれば治癒が得られる可能性が高いのに、癌が血管を巻き込んでしまっていて切除できない。かといって放射線治療をしようにも患部のすぐ横には消化管があり、消化管穿孔などの合併症が危惧されて十分な照射もできない。外科医は切除できずに、放射線腫瘍医も照射できずに思い悩む。薬物治療はないこともないが、まだまだ十分な効果が得られるとは言いがたい──。

 そんな悩みを打破する可能性がある医療材料が今年6月、承認された。放射線治療用吸収性組織スペーサー「ネスキープ」だ。腹腔内や骨盤内の手術不能な悪性腫瘍に粒子線治療を行う際、消化管などの保護を目的に開腹・留置するスペーサー。この製品は、神戸大学肝胆膵外科学分野教授の福本巧氏と同大医学部附属病院放射線腫瘍科教授の佐々木良平氏が開発をリードしてきた。このスペーサーの開発の経緯と使い方について、両氏に聞いた。(文中敬称略)


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