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トレンド◎病院にとってはいいことずくめ?の「門内薬局」
病院の敷地内に薬局が続々とできている理由

2017/11/16
坂井恵=医療ライター

滋賀医科大学医学部附属病院の敷地内に建ったアメニティ施設には2薬局が入居。

 2017年10月2日、滋賀医科大学医学部附属病院と亀山市立医療センター(三重県)の2病院で、病院の敷地内に薬局がオープンした。前者は保険調剤薬局の大手チェーンである日本調剤(東京都千代田区)とフロンティア(大阪市淀川区)の薬局、後者は日本調剤の薬局だ。他にも、千葉大学医学部附属病院や益田赤十字病院(島根県益田市)などでも、病院敷地内に薬局がオープン。さらに全国各地の病院で、敷地内に薬局を誘致する公募が続々と行われている(末尾表1)。

 病院の門前に保険薬局が立ち並ぶのは見慣れた風景だが、病院の門の中(敷地内)に保険薬局を見ることはなかった。なぜ今まで、病院の空いている敷地に薬局ができなかったのか。なぜそれが急にできるようになったのか。不思議に思っている人も少なくないだろう。背景には、以前は禁じられていた医療機関の敷地内への保険薬局設置が2016年10月から可能となったという規制緩和がある。

「一体的な構造」の解釈が変更
 医薬分業においては、薬剤師が処方医とは独立した立場で、患者に薬学的管理を行う必要があるという理由から、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(療担規則)で、保険薬局が保険医療機関と「一体的な構造」を取り、「一体的な経営」を行うことを禁じている。

 このうち、一体的な構造について、厚生労働省は「保険薬局の土地や建物が、保険医療機関の土地、建物と分離しておらず、公道やそれに準ずる道路を介さずに専用通路などにより患者が行き来するような形態のものをいう」としていた。これによって、医療機関の敷地内に保険薬局を建てることは一体的構造と見なされ、規制の対象となっていた。いったん公道に出ないと医療機関と薬局の行き来ができないように、わざわざフェンスを設置するといったことも行われていた。

 その規制が、2015年6月の政府の規制改革会議を発端に緩和された。かねて車いすを利用する患者や高齢者などにとって不便であるとの指摘があり、同会議は、患者の利便性に配慮する観点から、「フェンスが設置されるような現行の構造上の規制を改める」とした答申を提出。2016年3月に「『保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部改正等に伴う実施上の留意事項について』の一部改正について」(平成28年3月31日保医発0331第6号)が出され、保険医療機関との一体的な構造に対する解釈が変更され、2016年10月1日から適用された。

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