添付文書で単回使用が求められている医療機器を再使用したとする事案がこれまで繰り返されてきた。過去10年余りを振り返っても、心臓カテーテル検査等に用いる圧トランスデューサー、胸腔鏡手術機器、心臓血管カテーテル、外科手術用ドリルバー等の再使用が明るみになるたびに、行政は添付文書の遵守、つまり再使用しないように求めてきた。
これらの事例の中には、C型肝炎の伝播という実際の被害が発生したと疑われているものもあり、一般国民の医療への信頼を守るためにも行政がこれを放置しないのは当然のことである。本稿では単回使用品の再使用問題について、主として行政論の見地から論点を整理したい。経営論としてはまた別の視点があろうが、今回は触れない。(なお、記事中の下線は明示しない限り筆者による)
第1回は、医療機器に関する「再使用の禁止」に関する変遷を考える。
本連載は全4回です。
短期集中連載◎どう読む?医療機器の再使用に関する通知(1)
単回使用医療機器に関する通知が揺れたワケ
短期集中連載◎どう読む?医療機器の再使用に関する通知(2)
「再使用の禁止」は国民目線で考えよ(10月24日掲載)
短期集中連載◎どう読む?医療機器の再使用に関する通知(3)
通知は本当に医師の裁量を制限しているのか(10月25日掲載)
短期集中連載◎どう読む?医療機器の再使用に関する通知(4)
回収・再製造という新アプローチに期待する(10月26日掲載)
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。