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リポート◎厚生労働省委託の勤務環境調査を読む(その2)
医師が求める対策の第1位は「当直明けの配慮」

 勤務医が職場に求める勤務環境改善策の第1位は、「当直明けの勤務者に対する配慮」(35.0%)だった。「夜勤緊急時対応オンコール対応などに対する給与・手当などの処遇を充実・改善」が33.0%で続き、「年次有給休暇をはじめとする休暇の取得促進」も32.9%と高率だった。

 これらは2016年度の厚生労働省委託事業である調査・研究で明らかになったもので、報告書は4月4日、厚労省のウェブサイトで公表された(調査概要などは文末を参照)。

 調査では、前回報告した労働実態(参考記事)のほか、医師が勤務先の病院に取り組んでほしいと考える勤務環境改善策についても明らかにしている。具体的には「働き方・休み方改善」「職員の健康支援」「働きやすさ確保のための環境整備」「働きがいの向上」「その他」の5つの大項目のもと、全体で57の勤務環境改善に関する取り組みを挙げて、医師の意見を求めている。

 その結果、医師が職場に求める勤務環境改善策の第1位は、「当直明けの勤務者に対する配慮を行っている(連続当直を行わない、当直明けに日勤を入れないなど)」で35.0%に上った。「夜勤、緊急時対応、オンコール対応などに対する給与・手当などの処遇を充実・改善している」が33.0%、「年次有給休暇をはじめとする休暇の取得を促進している」も32.9%と高率だった(表1)。

 前回報告したように、長時間の実労働がある宿直であるにもかかわらず、宿直明けの勤務は「通常業務で、業務内容の軽減はない」が72.1%に上っていた(n=1093)。加えて「短時間勤務で、業務内容も軽減される」が3.1%、「勤務なし」は1.5%にとどまっていたことを考えると、医師が職場に求める勤務環境改善策の第1位が「当直明けの配慮」だったのは当然の結果といえそうだ。

 同様に「夜勤負担の軽減」も25.5%で5位だった。4人に1人の医師は、夜勤明けの早帰りの推進や夜勤者の配置人数の見直し、夜勤回数の制限や仮眠時間の確保などを求めている。

 「職員向け院内アメニティの整備・拡充(仮眠室や休憩室の確保など)」(28.2%)が4位に食い込んでいるのは、勤務医の過酷な労働実態を物語るものだ。労働実態調査(参考記事)では、宿直の平均実労働時間(5.5時間)が平均拘束時間(15.1時間)の36%を占めており、本来はほとんど実労働を伴わないと規定されている宿直からは程遠い現状が浮かび上がった。加えて、仮眠室や休憩室の確保を求める医師が3割近くいるということは、不十分な勤務環境の下で長時間労働を続けざるを得ない医師が少なくないことを示している。

 このほかでは、「正職員について多様な勤務形態(短時間勤務、短日勤務、交代制勤務、フレックスタイム制など)」(20.6%)や「補助職(医師事務作業補助者、看護補助者など)の配置」(16.5%)も注目される。厚労省「医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書(参考記事)でも、短時間労働や時差勤務などの勤務形態の導入をはじめ、医師の業務を他職種に移管する「タスク・シフティング」の推進も盛り込まれており、今後の進展が期待されるところだ。

 医師の働き方改革は待ったなしだ。今回の勤務環境調査で明らかになった医師の要望を踏まえて、対策を急ぐ必要がある。

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