今年4月、日本人間ドック学会と健康保険連合会は、「新たな健診の基本検査の基準範囲 日本人間ドック学会と健保連による150万人のメガスタディー」を発表した。この報告書の内容を取り上げ、「健康基準を緩和」「『健康』基準広げます」といった見出しが、新聞や週刊誌に大きく踊ったことは記憶に新しい。
こうした報道の多くは、健康診断や人間ドックで「異常なし」とする値が広がると伝えるものだった。その結果、治療を受けている高LDLコレステロール(LDL-C)血症や高血圧症の患者が、医師の治療方針や処方薬の量に疑問や異議を唱えたり、治療を拒否するという事態も生じている。
実際、日経メディカル Online医師会員を対象に、一連の報道による影響を調査したところ、回答者1004人のうち33.1%が健康診断の“基準範囲”に関する報道により「影響を受けた患者がいた」と答えていた(図1)。
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