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リポート◎過剰な低身長は成長ホルモン投与の対象に
小さく生まれた小児ではSGA性低身長症に注意
ただし、治療対象は限定的で長期予後も不明

「低身長が疑われたら、できるだけ早く専門医へ紹介してほしい」と語るたなか成長クリニックの田中敏章氏。

 「うちの子、背の順でずっと1番前なんです。ちゃんと背は伸びるのでしょうか」「早産で生まれて、すぐに他の子に追い付くと言われたのですが、なかなか背が伸びなくて」。保護者からこのような相談をされたとき、「確かに少し小柄ですが、とりあえず様子を見てみましょう」。こんな対応をしていないだろうか。

 「低身長・低体重児の中には、SGA(small for gestational age)性低身長症児が含まれている。乳児健診の際に母子手帳などで身長・体重の成長曲線を描くように指導し、3歳時点で-2SD以下と低身長が疑われたら、できるだけ早く専門医へ紹介してほしい」。たなか成長クリニック(東京都世田谷区)院長の田中敏章氏はこう話す。

 SGA性低身長症とは、早産などによって出生時の身長・体重が小さかった小児で、その後の成長も遅い場合を指す。2~3歳までに標準的な身長・体重にならないと、低身長の成人となることが多いことから、近年、成長ホルモンによる治療の対象と考えられるようになった。

 国内におけるSGA性低身長症の罹患率は0.06%とされ、約9600人の患者数がいると考えられている。近年、高齢出産の増加などに伴い、2500g未満で出生する小児は10人に1人となっている。そのため、SGA性低身長症の患者数は増加傾向にある。

 国内では、田中氏らによって2007年に「SGA性低身長症におけるGH治療のガイドライン」が策定され、SGA性低身長症は、身長と体重が共に在胎週数相当の10パーセンタイル未満で、かつ身長と体重のどちらかが、在胎週数相当の-2SD未満の状態で出生し、2歳までに身長が-2SD以上に達していないことと定義された。(表1)。

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