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ITが医療を変える◎在宅診療を支える医療用SNS
“つぶやき”ネットワークで患者情報を共有
Case011●土屋医院(東京都豊島区)

2014/05/12
北村昌陽=医療ジャーナリスト

土屋淳郎氏(土屋医院院長)
1995年昭和大学医学部卒業。放射線科医、のちに内科医として大学病院や総合病院などに勤務した後、2009年土屋医院内科医長。2012年から同院長。3代続くクリニックで、地域医療の担い手として、在宅医療にも力を注ぐ。

 我が国の医療において、今後ますます重要性を増すと思われる在宅医療。今回の診療報酬改定でも大きな焦点になっており、関心を抱く医師も増えているだろう。

 在宅医療では、多職種のスタッフが入れ替わりで患者宅を訪問する。スタッフの所属は患者によってまちまちなので、院内医療に比べると、スタッフ間の情報共有が難しい。

 そのため、診療方針や家族への説明に関する微妙な行き違い、判断に有用な情報の伝達漏れなどが起きやすい。通常の院内診療に慣れた医師が在宅医療に出たとき、たいてい最初に戸惑うのがこの部分だという。

 東京都豊島区で土屋医院を開業する土屋淳郎氏は、祖父母の代から続くクリニックの三代目院長。地域に密着した医療の姿勢を受け継ぎ、在宅医療にも力を入れている。

 土屋氏も、情報共有に頭を悩ませていたという。
「何か心配事があって、家族が医師と看護師の両方に問い合わせることがある。そんなときに状況が共有できていないと、説明が微妙に食い違い、かえって不安を募らせてしまうこともあった」。

 そこで土屋氏は、情報共有ツールとして「メディカルケアステーション」(MCS)というシステムを取り入れた。これは、医療と介護のために開発されたSNS(ソーシャルネットワークシステム)だ。

 SNSとは、参加者がインターネット上のサイトにコメントを投稿して交流するシステムの総称。twitterやFacebook、LINE、mixiなどが知られている。

 これらと同様のしくみを使って、医療者同士の情報交換を行うのがMCSだ。操作は通常のSNS並みに簡単なので、“つぶやき”感覚で投稿できる。

 ブラウザがあれば特別なアプリは不要で、PC、スマホ、タブレットなどさまざまな端末から利用可能だ。使用料は無料。参加には管理者(主に主治医)の承認が必要で、外部から情報を見ることはできない。

 写真1がMCSのホーム画面だ。ずらりと並んだアイコンは、それぞれ一人の患者に対応する。そのうちのひとつをクリックすると、写真2のようなその患者専用のタイムライン画面が現れる。

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