入浴時には、髪はシャンプー、身体は石鹸やボディーソープなどの洗浄剤で洗うのが一般的だ。身体を洗う際には洗浄剤をしっかりと泡立てて洗うことが重要だと指導する医師は多い。そんな中、練馬光が丘病院(東京都練馬区)傷の治療センター科長の夏井睦氏などが発端となり、「入浴時の洗浄剤は必要最低限にすべき」というスキンケアの指導法が2007年ごろから広がり始めている。
その状況は小児診療でも同じ。冬の乾燥などによる皮膚トラブルを生じた子どもに対し、やはり洗浄剤は使うべきではないと指導する小児科医が増えている。
ほとんどの汚れはお湯で落ちる
「子どもの場合、汚れがひどくなければ、入浴時の洗浄剤は不要だ。皮膚トラブルの有無にかかわらず、洗浄剤の使用頻度をできるだけ減らすように指導している」と話すのは、おかだ小児科医院(滋賀県高島市)院長の岡田清春氏だ。
洗浄剤が不要と指導する理由を岡田氏は、肌着をつけている部位の皮膚の汚れは汗や皮脂、角質の剥離成分(垢)など「水溶性のものがほとんどだから」と説明する。また、表皮には新陳代謝があり、角質の表面に非水溶性の汚れが固着しても、3~4日すればお湯ですすぐだけで落ちる。「身体に油汚れが付いたり、体臭が気になったときだけ洗浄剤を使えばよい」と話す。
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