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トレンドビュー◎鼓膜所見、ちゃんと取れていますか
耳痛がなくても中耳炎を疑え
反復性や遷延性の鑑別に注意

「小児科医にも鼓膜所見を診る習慣をつけてほしい」と話すつちだ小児科の土田晋也氏。

 耳痛症状を訴えていなくても急性中耳炎を生じている患児はいる。「耳痛を訴えたときにだけ中耳炎を疑っていては、多くの急性中耳炎を見逃す可能性がある。小児科医もルーチンに耳を診て、急性中耳炎かどうかを判断できるようにすべき」と話すのは、つちだ小児科(福井県坂井市)院長の土田晋也氏だ。

 その根拠となるデータもある。つちだ小児科を含む全国の小児科診療所10施設において、かぜ症状を主訴に受診した小児患者の鼓膜を観察した研究の結果だ。

 同研究では、2009年1月~12月の間に発熱、鼻汁、咳嗽などの気道感染症症状で受診した15歳以下の小児患者2287人の鼓膜を観察し、352人(15.4%)に中耳貯留液を認めた。このうち34.7%に当たる122人が急性中耳炎を来していたが、診察時に耳痛を訴えていたのは53人と、半数以下にすぎなかった。

 急性中耳炎の月ごとの有病率は、入園・入学のタイミングである4月(9%)と、ウイルス性の下気道感染症が流行する12月(9.2%)に多い傾向が認められた。「いずれも外来が混雑する時期ではあるが、特にこの時期は丁寧に鼓膜所見を診るべきだ」と土田氏は言う。

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