播種性血管内凝固症候群(DIC)の現時点で推奨される治療法をまとめた初めての国際的なガイダンスが、今年2月、国際血栓止血学会(ISTH)から発表された。
DICは、何らかの原因で全身性に凝固活性化を来し、血管内に微小血栓が形成される予後不良の症候群で、敗血症、急性白血病、固形癌、産科疾患、外傷などの患者で生じる。いったんDICを生じれば、死亡率は4割近く、発症初期の適切な治療が欠かせない。しかし、DICの治療に関する大規模臨床試験の報告はほとんどなく、十分なエビデンスを有する治療も少ない。
国によるばらつきが大きかった推奨治療
DICの治療ガイドラインはこれまで、日本とイギリスが2009年、イタリアが11年にそれぞれ公表している。だが、日本で推奨レベルの高い治療が海外では推奨されていなかったり、反対に海外で推奨される治療が日本では推奨されていないといったばらつきがあった。これらのガイドラインを精査し、個々の治療の推奨レベルをすり合わせたのが、ISTHのDIC診断・治療ガイダンスだ(表1)。
REPORT
トレンドビュー◎国際血栓止血学会がDICの診断・治療指針を公表
日本発のDIC治療、世界でも「推奨」に近づく
国内では適応のないフィブリノゲン製剤も推奨
2013/07/23
二羽 はるな=日経メディカル
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