「わが国のMRI検査の実施状況は、他国と比べて非常に特殊。被曝を伴うCT検査への反動もあって、鎮静のリスクを軽視したMRI検査が気軽に行われている現状を危惧している」。4月20日に開かれた日本小児科学会学術集会のシンポジウム「MRI検査のための鎮静は如何にあるべきか?」の冒頭で、座長の有賀正氏(北大小児科教授)はこう切り出した。
MRI検査では、患者は騒音下で長時間の不動を強いられる。小児ではそれが難しいため検査の際に鎮静薬を用いることが多く、その方法は個々の小児科医の裁量に委ねられている。だが、2010年に日本小児科学会医療安全委員会が全国の小児科専門医研修施設520施設を対象に行った調査(回収率80%)によれば、全体の35%、147施設で鎮静による合併症を経験しており(図1)、内訳として「呼吸抑制・チアノーゼ」(75施設)、「呼吸停止」(73施設)が多いことが判明した。
新規に会員登録する
会員登録すると、記事全文がお読みいただけるようになるほか、ポイントプログラムにもご参加いただけます。