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トレンドビュー◎最新の結核検査「T-スポット」
既存の結核検査より高感度、採血者の手間も少ない
BCG接種の影響受けないインターフェロンγ遊離試験の新手法

T-スポット.TB
英オックスフォード・イムノテック社が開発した検査薬。全国で大手検査会社が受託検査を行っている。(提供:オックスフォード・イムノテック)

 昨年11月、結核感染の新しい補助診断キット「T-スポット.TB」(以下、T-スポット)が保険適用を取得した。2009年に承認されて以来、広く使われている「クォンティフェロンTBゴールド」(以下、QFT)と同じインターフェロンγ(IFNγ)遊離試験IGRA)に属す。国内で保険収載されるIGRAは2つ(どちらも保険点数は630点)となった。

 T-スポットは、QFTと同様、BCG接種の影響を受けずに結核感染の有無を診断できる。QFTがIFNγ産生量を測定する検査であるのに対して、T-スポットはIFNγ産生細胞数を測定する点が異なる(表1)。

 現在、日本を含む多くの国で、結核感染の診断法として、ツベルクリン反応よりも診断能の高いIGRAが推奨されている。IGRAは、結核の既感染者の血液中に、結核菌に特異的な抗原にさらされるとIFNγを産生する抗原特異的T細胞が存在することを利用したもの。採血で得た血液中のT細胞を結核菌特異抗原で刺激しながら培養し、産生されるIFNγを測定して結核感染の有無を判断する。BCGに加え、ほとんどの非結核性抗酸菌の影響を受けずに、結核感染の有無を検出できる。QFTとT-スポットのどちらも、検査キットを購入し院内で検査することも可能だが、ほとんどの医療機関は、検査受託会社に検査を委託しているようだ。
 
 「T-スポットは、QFTよりも感度が高く、同等の特異度を有する。また、QFTが苦手としていた免疫不全患者においても結果が出やすい。さらに、採血者の手間が少ないので、今後、普及しそうだ」と、結核予防会結核研究所技術顧問で、免疫診断研究所(東京都立川市)所長の原田登之氏は語る。

 添付文書によると、T-スポットの感度は97.5%(95%信頼区間、91.3-99.7)、特異度は99.1%(同、95.1-100)となっている。T-スポットでは、血漿を取り去った後の一定数の末梢血単核球を検査に用いるため、血漿中の成分による影響を受けず、糖尿病や血液透析中の患者など免疫抑制状態の被験者においても、再現性の高い検査結果が得やすいといわれている。

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